ペットと一緒に避難所へ行けるなら、避難した後も犬たちと一緒に過ごせる。
私は、以前はそう思っていました。
ところが、防災について考え始めてから、避難所では飼い主とペットの居住スペースが別になる場合もあると知りました。
今回あらためて自治体の防災マップを読むと、私の住む自治体でも、居住スペースは別になると書かれていました。
あれ? では、犬たちはどこで過ごすのでしょう。
我が家は、私一人と10歳近い犬3頭のマンション暮らし。災害が起きても、できるだけ住み慣れた自宅で避難生活を送りたいと考えています。
これまでの防災シリーズでは、災害時の避難方法や、在宅避難を続けるための備えについて考えてきました。
でも、建物の被害やライフラインの停止、特に真夏の停電による暑さなどで、人も犬も自宅で安全に暮らせなくなる場合があります。
そんなときには、避難所などへ生活する場所を移す必要があるかもしれません。
そこで今回は、同行避難した後の犬たちの暮らしについて、公的資料や近年の災害事例を調べ、我が家の場合を考えてみました。
ペットと同行避難したら、犬たちはどこで過ごす?
同行避難できても、犬と同じ場所で暮らせるとは限らない
環境省の資料によると、「同行避難」とは、飼い主がペットを連れて安全な場所まで避難する行動のことです。
避難所に着いた後も、飼い主とペットが同じ部屋で生活できるという意味ではありません。

私の住む自治体では、避難所でペットを原則受け入れることになっています。ただし、次のようなルールがあります。
- ペットはクレート等に入れて避難する
- 飼い主とペットの居住スペースは別になる
- ペットは避難所の指定された場所で管理する
- 餌や排泄物の処理などは飼い主が責任を持って行う
一緒に避難所へ行けても、いつものように犬たちと同じ場所で眠り、過ごせるとは限らないのですね。
考えてみれば、避難所には犬が苦手な人や、動物アレルギーのある人もいます。自分たちだけでなく、ほかの避難者も安全に過ごせるようにするためのルールでもあります。
では、実際の災害では、犬たちはどのように過ごしていたのでしょうか。
能登半島地震では、避難所によって対応が違っていた
環境省がまとめた2024年の能登半島地震の記録を読むと、避難所でのペットの受け入れ方はさまざまでした。
飼い主と犬が同じ部屋で過ごせた避難所もあれば、別室や屋外にペットのスペースを設けた避難所もありました。
ペットの飼育場所として、専用のトレーラーハウスを設置した事例もあります。
一方で、ほかの避難者への配慮や、ケージ・別室での管理が難しいことなどから、避難所での生活を続けられなかったケースも報告されています。
参考:環境省「令和6年能登半島地震における被災動物対応記録集」
避難所の建物や設備、被害の状況によって、受け入れ方法は変わるのですね。
同行避難ができるかだけでなく、避難した後にどんな環境で過ごすことになるのか。
そこまで考えておく必要があると分かりました。
老犬3頭と避難所で過ごすなら、何が気になる?
我が家には、トイプードル、キャバリア、チワワの3頭がいます。みんな10歳近くなりました。
今は3頭とも歩けますが、性格も体格も違います。
特にトイプードルは神経質なところがあり、騒音や環境の変化に敏感です。

慣れない場所で、知らない犬の鳴き声が聞こえる中、落ち着いて過ごせるだろうか。私と離れた場所で過ごすことになったら、どうだろう。
そんな心配があります。
もちろん、災害時です。普段と同じ快適さを求めることはできませんし、安全のためには、犬たちにもある程度は我慢してもらう必要があるでしょう。
ただ、一時的な不便と、健康に影響するほどの負担は分けて考えたいところです。
食事や排泄、体調の確認も基本的には飼い主の役割になります。
普段は一人で3頭の世話をしていますが、避難所では犬たちが別の場所にいるかもしれませんし、自分自身も被災しています。
どのような生活になるのか、経験のない今は想像しきれない部分もあります。
だからこそ、あらかじめ避難所のルールを知り、その場の状況に合わせて考えられるようにしておきたいと思います。
真夏の停電や体調不良に、避難所で対応できる?
自宅が暑くなったから避難するのに、避難所は涼しい?
前の記事でも心配していたのが、真夏の停電です。
我が家のマンションは夏の室温が高く、エアコンが使えなくなれば、犬たちにも私自身にも大きな負担になります。
停電が長引き、室内の暑さを管理できなくなれば、自宅を離れることも考えなければなりません。
ところが、避難所のペットスペースを調べてみると、必ずしも冷房のある室内とは限らないことが分かりました。
私の住む自治体の地域防災計画でも、避難所での動物の飼育場所は屋外が原則とされています。
一方で、過去の災害では専用の飼育施設を設置するなど、ペットの環境を整える取り組みも行われています。
ただし、そのような設備が、どの避難所にも用意されるわけではありません。
人が過ごす場所に冷房があっても、犬たちのスペースまで涼しいとは限りません。また、冷房設備があっても、停電時に使用できるかは別の問題です。
暑さから逃れるために自宅を離れても、避難先で犬たちが涼しく過ごせるとは限らない。

これは、今回調べてみて特に気になったことです。
犬たちはもうすぐ10歳。慣れない環境でのストレスも心配ですが、暑さによって体調を崩すことは避けたいところです。
避難所へ行くことだけで安心せず、犬たちが過ごす場所にどのような暑さ対策があるのか、できれば事前に確認しておきたいと思います。
真夏の停電では、犬たちが体調を崩す前に、自宅と避難先の両方の環境を考えて、早めに判断したいと思います。
避難生活で体調を崩したら、動物病院は利用できる?
暑さだけでなく、慣れない環境による体調の変化も気になります。
能登半島地震では、獣医師による巡回診療が行われ、下痢や皮膚の問題、行動の変化なども診療の対象になっていました。
参考:環境省「令和6年能登半島地震における被災動物対応記録集」
また、調べてみると、災害時には自治体や地域の獣医師会などが連携して、動物救護に当たる仕組みもあることが分かりました。
私の住む自治体も、地元の獣医師会と災害時の動物救護協定を結んでいます。
今回調べるまで、こうした仕組みを詳しく知りませんでした。
ただし、災害直後から通常どおり診療を受けられるとは限りません。動物病院そのものが被災していたり、そこまで移動できなかったりすることも考えられます。
老犬3頭の健康状態や、普段飲んでいる薬、これまでの病歴などは、かかりつけ以外の獣医師にも伝えられるようにしておきたいところです。
自分が犬たちの世話をできない場合も考えておく
避難生活について考える中で、もう一つ気になったことがあります。
それは、私自身が犬たちの世話を続けられるとは限らないことです。
けがをしたり、体調を崩したりするかもしれません。無事だったとしても、家族の世話や避難所での支援活動など、ほかに対応しなければならないことが出てくる可能性もあります。
家族や親族、知人に頼る方法もありますが、相手も被災しているかもしれません。
そこで、災害時のペットの一時預かりについて調べてみました。
能登半島地震や熊本地震では、動物病院や救護シェルターなどで、飼い主が世話を続けられない犬猫を一時的に預かる支援が行われていました。
ただし、こうした支援には受け入れ条件や施設の収容数の限界があり、必ず利用できるわけではありません。
それでも、自分一人ではどうにもならないときに、犬たちを一時的に預かってもらうという方法もあると知り、少しほっとしました。
私の住む自治体にも、獣医師会との災害時の動物救護協定があります。
もし自分で世話を続けられなくなったら、自治体や獣医師会、動物救護団体などから情報を集め、犬たちのためにできることを探したいと思います。

避難所だけでなく、いくつかの選択肢を残しておきたい
今回調べてみて、避難所は大切な避難先ですが、必ずしもそこで長く生活できるとは限らないことが分かりました。老犬3頭の健康状態や、自分自身の状況によっては、別の生活拠点や支援を考える必要もありそうです。
例えば、安全な場所にある親族・知人の家、ペットと泊まれる宿泊施設、必要に応じて動物病院や救護シェルターなどへの一時預かり。
ただし、いずれも災害時に利用できるとは限りません。
車のない我が家では、そこへどう移動するかという問題もあります。また、自分と犬たちが一緒に移る場合と、犬たちだけを一時的に預ける場合とでは、考えることも違います。
現時点で、避難先を一つに決めることはできません。
でも、今回の調査で、事前に確認しておきたいことは具体的になりました。
- 避難所での生活環境:犬たちはどこで過ごすのか。暑さ・寒さへの対策はあるか。
- 多頭飼いの受け入れ条件:老犬3頭を連れて避難する場合、どんな条件があるか。
- 動物医療や一時預かりの情報:災害時には、どこで支援情報を確認できるか。
- 自分が世話をできない場合:家族や親族、知人など、誰に相談できるか。
すべての答えが見つかったわけではありません。それでも、こうした情報を少しずつ集めておけば、いざというときの判断に役立ちそうです。
まとめ|避難所での暮らしを知って、我が家が考えたこと
同行避難ができれば、その後も犬たちと一緒に過ごせると思っていました。
でも、調べてみると、避難所では犬たちと離れて過ごすこともあり、飼育場所や暑さ対策など、避難した後にも考えておきたいことがありました。
一方で、動物医療や一時預かりなど、困ったときに頼れる可能性のある支援について知ることもできました。
できれば老犬3頭と、住み慣れた自宅で過ごしたい。でも、それが難しくなったときには、避難所だけにこだわらず、そのときの状況に合った方法を探せるようにしておきたいと思います。
次の記事では、実際に生活する場所を移すことになったとき、車のない私が老犬3頭と必要な荷物をどう運ぶのか。持ち物と移動方法を具体的に考えてみます。
あわせて読みたい
◀ 防災シリーズ 前の記事

防災シリーズの入口:→「老犬3頭・マンション・車なしの防災|我が家は災害時にどう避難する?」


コメント